ときどきノー・レーズン・サンド日記

春の味|ピスタチオレンジのこと🌱🍊

2022.04.23

こんにちは4月の終わり。

ホタルイカ食べて春、タケノコ食べて春、たらの芽食べて春!先日はそら豆の春巻き(春を春で巻いてる感じがみやびよね〜 みやび?)を自作して(植松良枝先生のレシピです)、揚げたてを頬張って見事に火傷しました。 が、そら豆のためなら上顎の一枚や二枚くれてやるという強い気持ちで過ごしています。火傷上等。熱々をおいしいと感じることができるのは人類の特権ですから。池波正太郎だって「天婦羅は親の仇のように食え」って言ってるし。まあ天ぷら屋さんも親の仇ィィィみたいな気迫で毎度毎度目玉ひん剥いて天ぷらに食らいついてるお客さんがいたらちょっと引くと思うけど。いつも前のめりですみません。

そんなわけで主に舌から春を満喫している平野ですが、春味といえばノーレーズンサンドのピスタチオレンジなんですよ。

じゃーん。

いやーピスタチオレンジ。良いです。好きです。春味です。まず一口目は、豊かでリッチなピスタチオクリームの満ち足りた風味がぐわーんと口いっぱいに広がってそれだけでもう うっとりなんですが、そこにこれでもか!とぎっしり挟んだローストピスタチオが砕けて香ばしさがぐわんとプラスされます。それで終わったってハッピーエンドです。満足なバターサンドであります。が。ノーレーズンサンドはそこで終わりません。二口目あたりから、オレンジピールジャムの酸味やそっと入れ込んだオリーブの塩気が、きらっきらっと川面に光が反射するように輝くのです。この輝き効果のせいでしょうか。試食をした工房スタッフは目を丸くして言いました。

「ティモシーシャラメの味がします」。

いや、んなわけな………と最初はたしかに思ったよ!でも!言われてみればなるほど確かに3咀嚼目くらいから口の中に小さなティモシーシャラメが現れるのです。魅了。

そんな夢世界をサンドするのは、定番レーズンサンドよりもさっくり目に焼き上げたサブレです(サブレはフレーバーによって焼き方や配合を変えております)。今回のサブレは微かにローズマリーを練りこみ、そよ風のようにふんわりと香る心地よさがたまりません。いやー圧倒的に春味。紅茶やコーヒーはもちろんお酒にも合いますよ。

↑ 初めて白ワインと一緒に写真を撮ってみたの図。

そんなこんなのピスタチオレンジ。ギラギラとした夏が来る前に、春のときめきが詰まったバターサンドをお届けできたら何よりです。香りに食感、調和に余韻、そして現れるスモールシャラメ。ぜひご堪能ください。

 

written by Sakiko Hirano 

 

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